社内の各部門が有機的に連携し、市場ニーズや課題を的確に把握、
新しい付加価値を持つ素材と製品を創造しています。
製品開発に際しては、「お客様の課題やニーズの根幹」を見出すことが重要であると考えています。
どのような課題があるのか、その課題に対してどうアプローチするのか、そのために必要な機能はどういったものなのかを常に探求し、高い付加価値を持つ製品の開発に取り組んでいます。
日々の活動で得られる課題や意見、社会動向などを分析し、市場で求められているものは何かを探求。得られた情報は「新製品開発プロジェクトチーム」に集められ、新製品の開発に活かされます。
集められたアイデアを市場ニーズ・技術シーズをもとに市場性や経済性、経営資源などの観点から分析。アイデアを一定数に絞り込みます。
スクリー二ングしたアイデアを具現化するためには、どのような機能が必要かなどを明確化し、容器のコンセプトを設定します。
試作品を作製し、コンセプトの具現化ができているか、機能が担保できているか、食材を詰めたときの見栄えはどうか、など容器機能を総合的に判断します。
このようにして開発された製品は売場に並びます。年間、約1,000種類の新製品を市場に投入するなかで、市場に受け入れられる要因を分析し、次回以降の製品開発につなげています。
容器の元となるシート原反(げんたん)の素材は、容器の基礎的な機能を決める重要な部分であり、当社は独自のブレンド技術で市場ニーズに応じた新しい素材を開発し続けています。
多彩な素材を活用した食品容器を市場に送り出しており、培ってきたノウハウは蓄積され、新素材の研究開発に留まらず、既存素材の改良にもつながっています。
新素材の開発においても、市場ニーズの把握は不可欠です。食品容器を取り巻く生活様式の変化、環境問題など様々な情報を新製品開発チームと共有し、市場において必要とされているニーズがどのようなものか、どこに問題点が潜んでいるのかを整理します。そのうえで、素材にどのような機能が必要なのか、どのような開発のアプローチを行うのか、関連部署が連携し課題を検討します。
目指すべき課題が明確になると、テスト機での試験フェーズへと進み、試作品を作製します。目的達成のためにはどの原料を使用すべきか、原料の配合や押出工程での条件はどういったものが最適かなど、様々な条件においてテストを行い、評価・検討を繰り返します。
テスト機で素材構成の大枠が決定すると、知的財産権やコストの検証を経て、実生産機での試験フェーズとなります。これまでと異なり大型ライン機での操業となるため、テスト機の試験結果と異なることもあります。定義した諸条件が実生産ラインでの製造に適切か、できあがったシート原反が求めていたものかを検証します。
この実生産機試験で問題がないことが確認できれば、成形工程、プレス工程の製造適正の検証を経て新素材として誕生します。
「料理は目で食べる」とも言われるほど、器の色彩は欠かせないものです。食品容器は柄で様々なおいしさを表現しています。柄デザインを決めるにあたっては、試作品を作製し、実際に食材を盛り付けて検証します。
柄の開発にあたっては、食材の魅力を最大限活かすことを重要視し、これまでにない色彩や色の組み合わせを模索して容器形状と調和のとれたデザインにすることを心がけています。陳列台の照明の色にも大きく左右されるため、売場を再現して検証するほか、テスト販売を通して得た情報も検証材料として活用しています。
自社開発の環境配慮型素材「バイオBF」に、蓋のテープ留めが不要で、高い作業性が市場に広く受け入れられている「強嵌合」機能を組み合わせるなど、独自性と高い付加価値を持つ製品の開発を進めています。